思いもかけない、人生初めての年越し病院生活に、ただただ驚きながら、年末年始が過ぎ去った。後々のため、記録しておこう。入院なんて11年ぶり。 ●事の起こりは、11月10日に、路上で自転車を避けてバイクで転倒したことから。
●相手は大学生:自転車で、完全無傷。こちらは、顔、手、脚に擦り傷。警察の検証後、帰って「こまいざわ整形外科クリニック」で擦り傷、腕の捻挫などの手当てを受けた。外傷に関してはいずれ完治するだろう。 ●ただ、ヘルメットが壊れるほどの頭部打撲、変な頭痛、ふらつき、耳鳴りがあり、数日後に外傷のケアで再度整形外科に行った時に草津総合病院の脳神経外科を紹介してもらう。 ●11月21日に初診。頭部CTを撮影、<前頭部に隙間がある>。先生はため息、「あんたの頭はもともとこんなの?」 自分の頭なんて知ってるはずがない。 「普通は隙間なんて無い、頭痛、ふらつきは心配、2週間後にもう一度CTを撮ってみましょう」となった。 ●幸い、相手の大学生は家族で加害者保険に入っていたようで、バイク、メガネ、ヘルメットなどの物損、医療などの保険提出資料などをまとめていた。 いつもの仕事も問題なくこなしていた。 ●2週間後の12月4日のCT撮影は、1回めと全く同じ。
「もともと、自分の頭がこうなっていた」ととるか、「隙間が普通に戻っていない」ととるか・・・ 「1ヶ月後、もう一度CT撮影しましょう」と・・・。 ●それは突然、12月18日から始まる。軽い頭痛、歩行困難、会話困難、尿失禁・・・。自分にいったい何が起こったんだろう? ●毎月の診療所に1週間早めて行ったとき、紹介書を書いてもらい、2日後、草津総合病院へ。またまたCT撮影。緊急のため、別の先生に替わった。「頭を打った時から、時間をかけて、じわじわと出血、脳を圧迫、ある日突然発症する」-慢性硬膜下血腫。初めて、病名を知る。頭に穴を開けて溜まった血を抜くという手術だという。歩けなくなった85歳のおばあさんでも手術したら、ピンピンして帰って行ったという話など、できるだけ早く手術するべきと聞かされるも、12月24日に外せない会合があり、なんとか、それまでは、伸ばしたく、手術以外の出血を抑える?点滴を通院で2日・・・ ●そして、遂に12月23日、風呂で脱水症状、意識不明に。救急車で草津総合病院へ。そのまま入院へ。頭部MRI撮影。かなり症状は進行していた。
●12月24日の会合は友人に頼んで欠席、ここから病室内で点滴の毎日。完全寝たきり、オムツ替えもナースコール。かわいい看護師さんたちの親切な対応に癒される。
●12月26日、洗車みたいな風呂。寝たまま、上からお湯のシャワーを浴びて洗われる。
●12月27日に手術。家内、息子、娘の励ましを受け手術室へ。 局所麻酔、恐怖はある。頭部両耳の上2ヶ所に穴を開け、パイプが差し込まれ、溜まった血がドクドクと抜かれていくのを感じる。左右で計300ccの血液を抜いたという。
●術後も2本のパイプは残り、まだ出るドレンを溜める袋を福耳のように両側にぶら下げる。ずっと寝たきりだったので足はふらつくも、頭スッキリ、トイレも自分で行ける!。やっぱり手術して良かった。 ●頻繁に体温、血圧、血糖値を測りに来るナースのお姉さん、「手術前と完全に別人みたい!」。 確かに、あの手術前、家内に手を引かれ、ヨタヨタと歩き、生気のない顔を動画で撮っておくべきだった。 ●12月28日、一通り、ドレンが出終わったところで、両側のパイプを抜き、穴はホッチキスで閉じられた。 ●12月31日と1月1日は一時帰宅させてもらう。
●自宅で年賀状の一部など作業。例年ならお寺で除夜の鐘を打つところ、一歩も外に出ず。 ●元日、2日に孫たちと通例の家族揃い墓参り、初詣を済ませて1月2日に再び家族に送られて病室に戻る。
●1月3日、咳が止まらない。 検査の結果、なんと、インフルエンザ!。墓参り、初詣とも、元気に歩けたが、抵抗力の無い病中の身、どこかで貰って来たんだなあ。「部屋から出るなの隔離」が始まる。ナースも毎回防菌衣に着替える。家内も出入りごとに着替え。大変だ。 ●以前からニュースで、「飲むと異常行動の副作用を起こす」という、あの「タミフル」を毎日毎日飲むことになる。
長い長い寝たきりの病室。 ●1月5日、先生が来て、抜糸。本来ならこれで退院のところ、退院はいつ?、インフルエンザ次第となる。インフルエンザはどのくらい隔離されるのか?
今日も今日も、病室だ。
●1月8日、夜、ついに、退院の許可が出る。
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