長年親しまれてきた草津の「シネマハウス」が経営を断念、この9月末をもって閉館するという。小さいながらも5つのスクリーンを持つミニシネマコンプレックスだった。今、邦画界はすこぶる元気で、シリーズものやネタ切れでCG多様のハリウッド洋画と肩を並べるようになった。しかし、なかなか映画館まで足を運ぶ人が少なくなった昨今、レンタルDVDの方が最新から昔の映画までいつでも見ることができるようになったのも大きな要因であろう。しかしながら大画面、大音響の感動は家庭のテレビでは決して体験できないはず。 |
京都新聞から 滋賀県内で最も古く草津市で唯一の映画館「シネマハウス」(同市大路1丁目)が30日で閉館、60年の歴史に幕を下ろすことになった。大津市などのシネマコンプレックス(複合型映画館)に押されて入館者が減少したのが理由で、市民からは「地域の映画館が消えるのは寂しい」と惜しむ声が上がっている。 現存する県内の映画館では最も古く、1948年に「文栄座」として誕生した同館は52年に「草津第二映画劇場」と、名称を変更した。88年から「シネマハウス」となり、県内初の二スクリーンにして封切り作品を上映、その後スクリーン数を5つに増やした。角大介社長(41)によると、シネコンの先駆けとして、湖北地域からも映画ファンが来館したという。90年代後半から、大津市や近江八幡市に大手資本によるシネコンが開館すると、97年をピークに客足が減少。ここ数年は、年間入館者数が約15万人と、ピークの半分程度に落ち込み、閉館を決めた。 角社長は「駐車場や映画以外のエンターテインメントを備えた大型施設に客足が移った」と話す。 閉館を前に22−30日に特別プログラムを上映する。作品は未定。 |
シネマハウスメンバーズカードでスタンプを押してもらい、7つになったら1本タダのサービスに何十回預かっただろうか。還暦過ぎてから、シニア+メンバーズで900円はうれしかった。 大津パルコのユナイテッドシネマ、近江八幡サティのワーナーブラザーズシネマは巨大画面で床フワフワ、ゆったりイスで、やっぱり、草津シネマハウスはちっちゃいスクリーンで見劣りするが、「ちょっとそこまで」という気楽感は良かった。「エクソシスト」に平日に入ったときは、真ん中に座った観客は私一人、「えぇぇぇー、これでも上映するんですかぁ」って映写室に向かって叫んだものだ。 |
特別上映のお知らせ 9月30日の閉館をむかえるにあたり、「文栄座」「草津第二映画劇場」そして「シネマハウス」と半世紀以上もお世話になった映画ファンの皆様に感謝の気持ちをこめて、9月22日より30日まで特別上映を行います。 上映作品は創始者の故・角正太郎が1959年に製作し、キネマ旬報ベストテン1位に輝いた今井正監督の『キクとイサム』をはじめ、アカデミー賞受賞作品の『フォレスト・ガンプ/一期一会』や、全米歴代興行収入1位の『タイタニック』などの感動作全12タイトルを一挙上映いたします。 入場料は60年の感謝の気持ちをこめて、500円の特別料金とさせていただきます。 また売上金は、スポーツを通して地元・草津の活性化に寄与し、夢や感動を与えていただくために、バスケットボールチームの「滋賀レイクスターズ」とサッカーチーム「FC Mi−O」に寄付いたします。 『キクとイサム』 『フォレストガンプ』 『E.T.20周年アニバーサリー特別版』 『ゴースト/ニューヨークの幻』 『オペラ座の怪人』 『チャーリーとチョコレート工場』 『ジュラシック・パーク』 『グリーンマイル』 『グラディエーター』 『ニュー・シネマ・パラダイス(通常版)』 『タイタニック』 |
どれも名作中の名作を選んでいる。殆どは観た映画ばかりだが、やはり、映画館で、昔懐かしいシーンに触れるのはすばらしい。 勤務前後になんとか都合してもとても全部は無理。しかし、1週間に5本も消化した。 毎月5本のペースで最新作を観ているが、あえて、今回観た作品を。 『ゴースト/ニューヨークの幻』 1990年というから、もう17年。この作品でデミ・ムーアを知った。ラブストーリーも涙もサスペンスも笑いも含む バランスのとれた名作。今なら、CGバリバリで制作するだろうこの映画も、稚拙なテクニックながら、ノスタルジックで本当にすばらしい。いつか、リメイクされそうな逸品。ウーピー・ゴールドバーグのような名優だからあり得た傑作なのかも。 『E.T.20周年アニバーサリー特別版』 1982年の作品は観ているが、その後、スピルバーグが20年後の2002年に再編集したのが本作。「こんなシーンは無かったな」とか、とにかく、更にわかりやすく感動的になっているように思った。再編集作だから、画面に雨も降っていず、きれいな作品として観ることができる。館内は当時の作品をリアルタイムに観た親が初見の子供を連れて来たのが目立つ。感動、そして、ETのかわいさ。エリオット役のヘンリー・トーマスのうまさ、そして、かわいい妹を演じたのが、なんと、あのドリュー・バリモアだったんだ。この作品はたぶん、映画史上に残る最高傑作として残るだろう。 『チャーリーとチョコレート工場』 毎度、独特のティム・バートンの世界。ジョニー・デップの美しさ?。強烈なブラックユーモアに唖然。子供たちへの教訓をティム・バートンは伝えたかったのか、とにかく、ブラック。 『キクとイサム』 1959年の今井正作品。モノクロ。アメリカ占領軍の黒人との混血児である小学生のキクとイサム。二人は祖母の家で暮らしていたが、やがて離れ離れになることに。暗いテーマを明るく描いた名作。黒人と日本人のハーフの子高橋恵美子、奥の山ジョージ が好演。そして、なによりもすばらしいのが、やっぱり、この人、北林谷栄 のおばあちゃん役。おばあちゃんをやらせたら日本一。当時は実際はまだおばあちゃんでないのに、ものすごくうまい老け役。非常に多くのおばあちゃんを演じてきた。現在も存命と思うが、96歳。現在の彼女とこの映画の彼女はそれほど変わらないのでは無かろうか。 |