−今、明かされる伝説の画家のすべて2006(平成18)年は藤田嗣治の生誕120年にあたります。これを記念して、このたび、その全画業を紹介する展覧会をはじめて開催します。 藤田嗣治(レオナール・フジタ)は、東京美術学校を卒業後、フランスに渡り、モディリアニらとともにエコール・ド・パリの代表的画家として活躍しました。とりわけ、裸婦に代表される“乳白色の肌”の美しさは、多くの人々の心をとらえてきました。その後中南米を旅行して日本に帰国しますが、第二次大戦後はフランスに戻り、やがて帰化して、再び日本の土を踏むことはありませんでした。 これまで何度か開催されてきた藤田嗣治展は、その画業の全体像を示すには、必ずしも十分とはいえませんでした。また、その波乱に満ちた生涯ゆえに、数々の逸話による伝説としての藤田像が、画家としての評価をおいて、一人歩きしてしまった感もあります。 この展覧会は、パリ時代から晩年にいたるまでの代表作約100点を、フランスやベルギーを加えた国内外から集めて展示します。日本初公開作品約20点を含めた作品を通して、あくまで一人の芸術家としての藤田嗣治の全貌を探り、伝説ではない、あらたな藤田像を見出そうとするものです。 |