ものすごく痛い映画「パッション」 2004/05/03



メル・ギブソンの作った映画「パッション」を観た。
切符を買う時、客に「この映画は残酷場面が続きますがいいですか?」と聞いている。いいですかも何も、その覚悟はあるのか・・・・。


ユダに裏切られて捕らえられ、十字架にかけられ、死-->復活?までのイエスの最後の12時間である。


鞭や釘のついた棒で撲たれ、真っ赤に染まり、ズタズタになり、飛び散る皮膚、十字架を背負わされ鞭撲たれて丘まで瀕死で歩かされる間も何度も倒れ気を失う。


十字架では手のひら、足に釘を打たれ、更に裏返しにされて釘が抜けないように裏で釘を叩き曲げる・・・。
今から2000年以上前のイエスに対する血みどろの虐待は、このような状況だったのだろうか。
メル・ギブソンが敬虔な宗教心もあり、世界に上映の是非で話題騒然。


マグダラのマリア役のモニカ・ベルッチ。やっぱり、世界一の美女だ。


キリスト教でない我々は、イエスがここまでされても、「主よ彼らを赦したまえ」と言うのは理解が難しい。
日本では、親鸞や日蓮のように宗教家が迫害を受けるという事実があった。
しかし、この映画は痛い、怖い、恐ろしい。アメリカではこの映画上映中、数人がショック死している。

解説:
世界中で大論争を巻き起こす一方、全米初登場第1位の大ヒットを記録した衝撃作。『ブレイブハート』のオスカー監督メル・ギブソンが私財2500万ドル、構想12年を費やし、イエス・キリストの最後の12時間と復活を描く。主人公イエス・キリストを演じるのは『ハイ・クライムズ』のジム・カヴィーゼル。マグダラのマリア役には『マトリックス レボリューションズ』のモニカ・ベルッチがあたっている。あまりにも残酷な拷問シーンの先に控える監督メル・ギブソンの熱きメッセージに注目。
ストーリー:
紀元前1世紀のエルサレム。十二使徒の1人であるユダ(ルカ・リオネッロ)の裏切りによって大司祭カイアファ(マッティア・スブラージア)の兵に捕らえられたイエス(ジム・カヴィーゼル)は、救世主を主張する冒涜者として拷問され始める。

 ヒットするはずがないというハリウッドの予測を裏切って、本作は全米封切り最初の週末で史上第5位の興収をあげた。だから、公開から約1カ月後にマンハッタンで本作を見るのは楽しみだった。観客の多くはラテン系(したがってカトリック)だったことにも、期待は膨らんだ。壮絶な暴力描写と反ユダヤ的な視点については聞き及んでいた。そして実際、暴力描写は凄惨だった。キリスト最後の12時間は暴力と拷問の2時間に集約され、その手には長さ9インチのクギが貫通し、いばらの冠は額に食い込む。むちに打たれた体はズタズタとなり、十字架にかけられると骨が音をたてて折れる。こうしてキリストは、絵としての被害者となる。ユーモアと愛情あふれる若き日の姿もちらりと目にはするが、彼の人柄を知ることはない。むしろ彼の母親マリア(マヤ・モルゲンステルン)が同情の涙を誘う。十字架にはりつけにされた息子の足に口づけて血だらけになった顔を見ていると、彼女の失ったものの大きさに胸を打たれる。が、(キリスト教徒の)人間が失ったものにまで思いが及ぶことはない。そして、見終わっても反ユダヤ的な視点について論じる気にはならなかった。彼らがなぜキリストを追いつめるのか、その動機がまったく描かれていないからだ。ラストの復活の意味を十分に理解できるのは、敬虔なクリスチャンだけだろう。場内ではすすり泣きが聞こえたが、泣いているのと同じくらいの人が救済を見いだせずに劇場を後にした。感覚がマヒするほどの暴力をもう見ずにすむことにほっとして。 (Karl Rozemeyer/NY Coordinator) (PREMIERE)

 やられっぱなしのキリスト。いきなり捕まるところからスタートし、後はひたすら殴られる蹴られる鞭打たれる釘打たれるという責め苦の連続。容赦はない。それをただ黙々と耐えるばかりのキリスト。人間的な感情から限りなく遠く、まるで石ころのように打たれ続ける。その弱さゆえの強靭さに、ただ呆れるばかり。  およそ理解不能な何者かとして、キリストはそこにいる。だからこそキリストはとらえられ鞭打たれる。その過酷な虐待を次々に見せることで、あなたはキリストについて何をどのように知っているのかと、この映画は問いかける。そしてこの傷と痛みこそがキリストである、これがキリストである、これが我々の罪であると、説明抜きに、結果だけを投げつけてくるのである。  そのとき、キリストの身体に刻み付けられた傷と流れ出る血は、彼の視界に広がる人間世界の惨状の反映となる。その傷と血において、我々は等しく罪を負っている。それが人間世界であると、耐え続けるキリストの身体が語る。今も世界中で流される人々の血と同じ血が、そこでは流れている。その意味でこの映画は現代の物語でもある。今回は監督のみに専念したメル・ギブソンはそんな血塗られた世界を救う別の道を、見つめているように思う。(樋口泰人) テアトルタイムズスクエアほかにて公開中 [eiga.com/5月7日](eiga.com)


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