近年ますますアートとデザイン、陶芸と彫刻といった領域の境界線が曖昧さを増してきています。それは日本だけでなく海外でも、土をあらためて造形の素材として捉えられることで、土のさまざまな可能性が見いだされているのです。そこには、陶芸の素材ならではの土の可塑性や焼成方法はもとより、自然と人間との関わりなど、さまざまな現代の要素が浮き彫りにされています。人や動物は原初からのモチーフですが、彼らは土の特徴を生かしつつ、スピード感や躍動感、リアリティ溢れる個性的な表現で、人間の心理や動物の本能を探りながら心に浮かんだ形を表現し、命を吹き込んでいます。 展覧会では、土と対話しながら生み出される土のアートの最先端を、日本やアメリカ、ヨーロッパの、今、注目される5人のアーティストたちによる人や動物をテーマにした作品を通して紹介します。 |