現職アメリカ大統領が広島訪問 2016/05/27




5月11日の大ニュース。新聞のトップ記事の見出しでは最大の文字サイズではないか。

 安倍政権での伊勢志摩G7サミットが終わって、現職アメリカ大統領が原爆投下した広島を訪れたのは世界が注目した大ニュースだった。夕方、テレビ中継に日本人が釘付けになっただろう。エアフォース・ワンを降り、米軍ヘリコプター、大統領専用車と乗り継ぎ、遂に平和記念公園に立つ。資料館で10分、自作の折り鶴をあの原爆症で12歳で亡くなった佐々木禎子ちゃんに捧げる。献花のあと、17分ものスピーチ。すばらしい。彼はスピーチだけで大統領に、そしてノーベル平和賞を受賞したとも言われるだけはある。念入りに練られたスピーチは広島訪問に難色した旧アメリカ軍人にも、訪問を願い続けた日本国民、被爆者にも抵抗無く感動させる内容だった。


歴史的な広島演説。




ヒバクシャとの対面





以下、ネットから引用

 「71年前の明るく晴れ渡った朝、空から死神が舞い降り、世界は一変した。閃光と炎の壁がこの街を破壊し、人類が自らを破滅に導く手段を手にしたことがはっきりと示された」

 まさに、舞台のオープニングシーンのような鮮やかな情景描写から始まるオバマ大統領のスピーチは、技術的・経済的発展を成し遂げながらも、戦争という愚行を止められない人類の「絶望的運命」を文学的な言葉と巧みなレトリックでつづった一大叙事詩だった。

 人類はその歴史が始まった時から暴力的な衝突を始め、その後も絶え間なく戦争を繰り返してきたことに触れながら、「この空に立ち上ったキノコ雲の映像を見た時、私たちは人間の中核に矛盾があることを非常にくっきりとした形で思い起こした」と、自ら破滅を招く人間の不合理を憂うのである。
 平家物語のようなもの悲しさと不条理観。しかし、ストーリーはここでは終わらない。

 「私たちは、この街の中心に立ち、勇気を奮い起こして爆弾が投下された瞬間を想像する。私たちは、目の当たりにしたものに混乱した子どもたちの恐怖に思いを馳せる。私たちは、声なき叫び声に耳を傾ける」。この悲しい記憶こそが人類の道徳的な想像力をかき立て、希望をもたらす選択を将来にわたって続けようという意志につながるのだ、と説いたのだ。

 だからこそ「核兵器廃絶」という理想を追い求め、広島を「核戦争の夜明けではなく、私たちの道義的な目覚めの地としなければならない」とスピーチを結んだ。


 
まさに、壮大な「絶望と希望」のストーリー。このスピーチを書いたのは、38歳のベン・ローズ大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)と言われている。オバマ大統領の側近中の側近だという。

間違いなく、今年のトップになる大ニュースの時代に生きることができた。

「史上最低の大統領」と言われたがもまもなく任期が終わる。就任初めに核絶滅のスピーチでノーベル平和賞なんてもらってしまったから、中国らになめられたりしても何も出来ず。この最期の広島訪問で立派な業績を残したと言える。しかし、この約束も、あと数ヶ月経てば、世界をひっくり返す新しいアメリカ大統領トランプによって、打ち砕かれるのか・・・。せめて、自分の生きている間はなんとか平穏な世界で・・・

つれづれぐさページへ戻ります。



2016年のつれづれぐさへ