映画「鏡の女たち」 2004/03/06



ミニシアター物も、良さそうと思うものは京都まで出かけて観る。
「ジョゼと虎と魚たち」もなかなかおもしろかった。
大津の滋賀会館シネマホールはミニシアター専門で、大劇場では上映しない作品がかかる。今回は「鏡の女たち」。


 監督の吉田喜重と主演の岡田茉莉子(二人は夫婦)が舞台挨拶するというので、うれしくて。岡田茉莉子といえば、東宝で大女優・美人(であった)



監督の挨拶で、
 「ヒロシマ原爆の悲劇を題材としながら、決して原爆投下のシーンは映画に入れなかった。なぜなら、自分は原爆の被害者でなく、亡くなった人たちに何も言える立場ではない」という言葉が、うまく言えないが、印象に残った。
 岡田茉莉子さんは、やはり、大女優のオーラがある。かなりの年輩になっておられるが、美しい。これが、貴婦人というのかな。

 


憧れの岡田茉莉子の本物が目の前に!!

キャスト
 岡田茉莉子 、田中好子 、一色紗英 、山本未來 、北村有起哉

 東京都下の閑静な住宅街。彼方に望める高級マンションの風景が、この辺りにも都市化が進んでいることを物語っている。古びた一軒の家から、一人の女性が現れ足早に歩みはじめるた。川瀬愛である。愛は大学病院の医師であった亡き夫、川瀬信二と、娘の美和と三人で暮らしてきた。が、美和は20歳の時に家出。そして4年後、帰ってきた美和は、女の赤ん坊を産むと、夏来と名付けて、再び失踪する。それから24年、愛は孫娘の夏来を育てながら、月に一度、市役所の戸籍係を訪ね、美和を捜し続けている。そして今日、娘の美和の母子手帳を持った女性が現れたと連絡があり、愛は、元戸籍係だった郷田恭平と共に市役所に駆けつける。ところがその女性は、幼女誘拐の常習犯として、警察に拘留されているという……。

 広島に原爆が落とされた日から、傷つき苦悩してきた主人公・愛の半生と、尾上正子の正体がときにサスペンスチックに描かれる。女三世代を岡田茉莉子、田中好子、一色紗英が確かな演技力で演じ、見終わったとは重厚な小説を読み終えたような充実感がある。


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