木村花さんをはじめ、多くの芸能人、若い子たちが「生きていてごめんなさい」と自殺へ追い込まれる。 ある日、1988年におきた女子高生コンクリート詰め殺人事件の犯人と決めつけられたスマイリーキクチさん、「死ね」「殺す!」「地獄の中で永遠に焼かれろ」など、10年間のネット上で書き込まれた誹謗中傷の言葉がスクリーンに投影される。 あまりのリアル感に現代文化に潜む恐怖を実感した。 書いている人たちは悪人と思い込んだ相手を徹底的に攻めることが正義だと信じている。 解決するにはどうすればいいか、どうしてはいけないか。親身になって解決へ導いてくれた警察官の話など、非常にいい話を聞いた。 |
ネットにキクチさんが受けたインタビューの一部があった。 1999年、所属事務所のホームページに「死ね」「逃げ切れると思うな」という書き込みがあふれました。自分が高校生の頃に起きた殺人事件の犯人が私だと。地元や年齢が近く、決めつけられました。否定しましたが、「火のないところに煙は立たない」「死ねば許す」と投稿されました。書き込みはいずれも匿名です。テレビ局やスポンサーに嫌がらせがいきました。「殺人犯をテレビに出すな」と。仕事がなくなりました。 ――警察への相談は 9年近く過ぎた2008年。身近な人への脅迫のような書き込みがあったためです。 ――その後、脅迫などの容疑で複数の人物が立件されました 隣の人が書き込んでいるかもしれないという恐怖心があり、相手の身元が分かってホッとしました。彼らは「正義のつもりだった」などと供述したそうです。人をつるし上げるのは正義ではない。そもそも、匿名で人をたたくのは正義から逸脱している。はき違えると誰もが加害者になります。 ――被害はやみましたか 今もしょっちゅうです。殺害予告も届いています。 ――木村さんの事件についてどのように考えますか 言葉が人を殺したと思います。実は、中傷したとみられる人から相談を受けました。「お金を払わなければいけませんか」「情報を開示されますか」と保身ばかり。人を殺したかもしれないという意識がない。一切、返信しませんでした。 ――同様に中傷を受けている被害者に伝えたいことはありますか ネットから離れるのが一番です。それから、都道府県に人権相談の窓口があるので相談して欲しいです。 ――投稿している人には 軽い気持ちでやっていると思いますが、重い責任が伴うことを知ってほしいと思います。 |