MIHO MUSEUMと大津市歴史博物館と当館の三館で開催する、「神仏います近江」のひとつとして開催する展覧会で、平安時代から鎌倉時代へと大きく社会が変化する時代における、近江の仏像を中心とした仏教造形の具体相を探求する企画展。この時期の近江の仏像の有り様は、延暦寺による拠点寺院の創設によって、完成度の高い作例が、近江各地に造像されることになります。それは、やがて天台王国ともよばれる近江の仏教美術の特徴を形成し、地域社会の中で仏像が広汎に受容され、現在においても、文化財の宝庫といわれる滋賀の伝統文化の姿に継承されてゆきます。今回の企画展は、各館が、近江の宗教造形という共通テーマのなかで、時代や信仰の形、それによって生み出される造形の特徴などを、展覧会として分かりやすく提示するもので、当館は古代から中世に変貌する時代の具体相を、それが現在の滋賀の文化伝統に継承されるという課題を見据えつつ、近江における仏教造形の多様で魅力的な姿をお伝えします。 |
木造地蔵菩薩立像 1躯
木造・彩色 像高154.9p 平安時代
重要文化財 永昌寺・甲賀市
木造不動明王二童子像 3躯
木造・彩色・玉眼
像高、不動像108.5p 右脇侍像29.9p 左脇侍像54.2p
鎌倉時代 重要文化財 常照庵・愛荘町
木造金剛力士像 2躯 木造・彩色・玉眼
像高、阿形271.0p 吽形268.2p
室町時代・康正3年(1457) 大津市・園城寺