湊かなえの「告白」 2009/12/20



 雑誌類はよく買って読むのだが、小説となると、最近は、年に1桁しか読めていないのが、情けない。
多くのマスコミで評判の小説を知るところであるが、とりあえず、今年の最後に、昨年話題沸騰の、この、湊かなえの「告白」。図書館でずっと貸し出し中のところ、1年遅れでようやく空いたようで、しっかり3時間かけて読み切った。
 ひとつの事件を数人の立場からとらえるというのは、なかなかおもしろく、以前にサラ・ウォーターズ 、中村有希 翻訳の「荊の城」なども実におもしろかった。
 「告白」は、昨今の学校での少年少女の心のうち、それを育てる家庭の親、醒めた目で見る教師など、我々の年代には想像外の状態を知ることになる。

 我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。
 2008年度の週刊文春ミステリーベスト10で第1位に、このミステリーがすごい!で第4位にランクイン、2009年に本屋大賞を受賞した。
 2010年6月に、映画化するという。
 監督・脚本:中島哲也、森口悠子:松たか子、寺田良輝:岡田将生、直樹の母:木村佳乃となるという。
 小説の映画化については、映画が小説を越えることはまず無いが、主役となる渡辺修哉、下村直樹を誰が演じるか、興味あるところ。また原作から離れた変な脚本変更はして欲しくない。


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