環境、核廃絶への大きな一歩の数日 2009/09/25



鳩山首相が誕生してまだわずか1週間。タイミング良く、国連サミットに出席。日本が率先して20年で「温室ガスを25%減」を提唱した。過去に国連で日本の首相が演説しても拍手なんか沸いたことが無いのに大拍手だったという。ファーストレディーの幸婦人もなかなかの評判という。そして、オバマ大統領との会談では核廃絶をめざして一致。その翌日、なんと、安保理首脳級会合で、国際社会の核兵器廃絶の意思をうたった決議案が、核保有五大国も含め全会一致で採択されたという歴史的な日となった。



訪米中の鳩山由紀夫首相は2009年9月22日、ニューヨークの国連本部で開かれた国連気候変動首脳会合(気候変動サミット)で演説し、日本の温室効果ガス削減の新たな中期目標として「2020年までに1990年比で25%減を目指す」と表明した。合わせて二酸化炭素排出量に応じて課税する「地球温暖化対策税」の検討や、途上国・新興国の温暖化対策に日本の技術や資金を提供する「鳩山イニシアチブ」構想も提唱している。

国連安全保障理事会は24日午前(日本時間同日夜)、核不拡散と核軍縮に関する首脳級会合を開き、「核兵器なき世界」の条件作りを目指す決議1887を全会一致で採択した。核不拡散体制の徹底と同時に、核軍縮と原子力の平和利用を推進し、将来的には核兵器廃絶を実現しようという歴史的決議となった。

 安保理首脳級会合は、9月の議長国である米国が提案。核廃絶を提唱しているオバマ大統領が、日ごろ安保理の議長となる国連大使に代わって、史上初めて米大統領自ら議長を務めた。大統領は会合の冒頭、「今後12か月間が(NPT体制強化への)成否の分かれ目になる」と発言。さらに、「イランと北朝鮮だけではない」としながらも両国を名指しした上で、国連の全加盟国が核軍縮の責務を負う、と述べた。

 決議は、核拡散防止条約(NPT)未加盟国に非核保有国としての加盟を、すべての国に爆発を伴う核実験の自制を求めた。核実験全面禁止条約(CTBT)の加盟、批准もすべての国に求めており、同条約を批准していない安保理常任理事国の米国、中国は、自ら責務を負うことになった。

 NPT体制の強化により、核不拡散を徹底し、核関連の物資や技術が核開発に野心を持つ国家やテロリストの手に渡るのを阻止することが、決議の当面の狙い。過去の制裁決議などに言及してNPTの順守を加盟国に迫る内容だ。核兵器保有国であり、安保理常任理事国の米英仏露中5か国に対しても、NPTに基づく核軍縮交渉を求めている。

 オバマ大統領は、「核兵器なき世界」実現に向け、国際社会に協力を呼びかけるとともに、NPT体制を揺るがす核兵器開発国家やテロリストへの核関連物資・技術の流出に対しては、断固たる態度を改めて示した。


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