映画「ディア・ドクター」の監督は西川美和さん 2009/07/08



会社勤め終了でJR通勤定期券が無くなってしまったことにより、映画館通いが減り、映画が月3本のペースに落ち込んだのは残念。電車代を含めると、シニア千円でも結局一般ぐらいの出費になってしまう。今日の映画で久しぶりに書いてみよう。

日本に著名な女性の映画監督といえば、「かもめ食堂」「めがね」の荻上直子は別格として、


最近の注目は河瀬直美だろう。「萌の朱雀」、「殯の森」などで海外で有名な賞を受けている。


ところで、もう一人、もっとも自分が注目している女性監督、それは、西川美和である。
前作「ゆれる」は3年経ってもそのすばらしさが印象に残っている。



今回の西川監督の「ディア・ドクター」もなかなかの作品。
高齢が進んだ無医村に来る医者など無い。そこに赴任した医師は秘密を持っている。病気を治してやりたい・・・。しかし・・・。そして、どうにもならなくなった彼は逃げ出してしまう。


緊急の容態にうまく対応し、みんなから喜ばれたり・・・


若い研修医も村人との厚いつきあいに働き甲斐を感じはじめる。


東京の病院に勤める娘は老いた母の病状を察知する。


母の治療法に疑問を持ち、詰め寄る娘に・・・

解説: 『蛇イチゴ』『ゆれる』の西川美和監督が、へき地医療や高齢化など現代の世相に鋭く切り込む人間ドラマ。本作で映画初主演を務める笑福亭鶴瓶が無医村に赴任した医師を演じ、その医師の失踪(しっそう)をきっかけに浮かび上がる彼の人物像を軸にした心理劇が展開される。『アヒルと鴨のコインロッカー』の瑛太のほか、八千草薫、余貴美子など、若手やベテランともに実力のあるキャストが集結。人間の複雑な内面をえぐり出すことに定評のある西川監督のオリジナル脚本に期待したい。(シネマトゥデイ)

あらすじ: 村でただ一人の医師、伊野(笑福亭鶴瓶)が失踪(しっそう)する。村人たちに全幅の信頼を寄せられていた伊野だったが、彼の背景を知るものは誰一人としていなかった。事件前、伊野は一人暮らしの未亡人、かづ子(八千草薫)を診療していた。かづ子は次第に伊野に心を開き始めていたが、そんな折に例の失踪(しっそう)事件が起き……。(シネマトゥデイ)


監督・原作・脚本:西川美和
笑福亭鶴瓶、瑛太、余貴美子、松重豊、岩松了、笹野高史、井川遥、高橋昌也、中村勘三郎、香川照之、八千草薫


『ゆれる』で数々の映画賞を総なめにした西川美和監督が、待望の新作を完成させた。山あいの小さな村を舞台に描かれる『ディア・ドクター』は、希代のエンターテイナー・笑福亭鶴瓶の初主演作となる、ミステリアスかつユーモラスな味付けの人間ドラマ。村人たちから信頼される献身的な医師でありながら、ある秘密を抱えて失踪(しっそう)してしまう主人公を熱演した鶴瓶が、西川監督とともに作品への思いや撮影の裏話などを明かした。

「映画監督という職業は、本物かニセモノか判断するのは観客の価値観によるので、永久に答えが出ないんです」と話す西川監督は、前作「ゆれる」が高く評価されたことで、逆に映画監督と呼ばれる自分自身に違和感を覚え、それをきっかけにニセモノの物語を描こうと思ったのだとか。では、なぜ医者という職業に焦点を当てたのか。「免許が必要な職業は本物かニセモノかが明確に分かるし、普通の生活をしていて『この人がニセモノであっては困る』と感じる職業を思い浮かべたとき、医者が一番身近な存在だったんです」

前作の「ゆれる」でも、非常に印象深いラストであったが、今回もハッとする終わり方である。グダグダとしたラストでなく、スパッとした潔い終わり方。
まさに、男らしく大好き。西川美和は実は、男なのかも知れない。


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