アメリカ史上初の黒人大統領就任 2009/01/21



 昨年秋に米大統領選挙が決着。共和党のマケインは早々と決まったものの、民主党はギリギリまでバラク・オバマとヒラリー・クリントンが闘い、最後はバラク・オバマが勝利。そして、共和党対民主党では民主党オバマが圧勝。共和党はバカ大統領ブッシュの失敗が大きく、アメリカの威信を落とした。


 全世界が歓迎しているという就任式。果たして、「CHANGE」、「Yes We Can」を掲げるオバマはアメリカを、そして世界をどのように牽引するのか。


 20日のワシントンは最低気温氷点下7度の厳寒に見舞われた。それでも会場外も含めて200万人とされる人出で首都は埋め尽くされた。


人々は新大統領が少しでも見えやすい位置を求めて場所取りに必死。


新大統領登場。黒いコートに赤いネクタイが鮮やか。


就任式会場のステージに仲良く登場のミシェル夫人、ブッシュ前大統領夫妻。


アメリカを、世界をメチャメチャにしてしまった。ゴメンネ。
あとを頼む。そんなこと言ったって、今更・・・。


リンカーン大統領が宣誓した同じ聖書で。

  
新大統領は「憲法を擁護する」と厳粛な表情で宣誓した。

 約20分のスピーチ。選挙時に連発した「YesWeCan」、「Change」は無く、真剣にアメリカ再生を訴える。「この現場にいたことを孫にも伝えたい」聴衆は感激して涙していた。

 
 新大統領は宣誓後の就任演説で、国家の再建に向け責任ある時代を築こうと訴えた。 「この日から、われわれは自分で起き上がり、自らの埃を払いつつ、米国の再生という仕事に再び取り組み始めなければならない」と語った。


前日の超有名アーティストのコンサート、そして、延々たるパレードが続く。

 国民の広範な支持や期待とともに大統領に就任したオバマ氏だが、演説では、現実に目を向けることでそうした期待の高まりを抑えようとする姿勢も見え隠れした。
 米経済が過去70年間で最悪の状態に置かれていることや、イラク・アフガン戦争などを通じて米国は危機に直面していると強調。その上で、これまで米国民を分断してきた「ささいな不満(petty grievances)」に終わりを告げる時期が来ていると訴えた。
 「今われわれに求められていることは、責任ある新時代を築くことであり、米国民が一人一人、自分自身や国家、世界に対して、嫌々ながらでなくむしろ喜んで責務を担っていくことだ」と語った。
 経済については「欲望や無責任」や、困難な選択を回避したことによって支障が生じたとし、経済の建て直しを約束すると表明。経済危機を通じて、注意していないと市場は制御不能に陥る可能性が明らかになったとした。経済の繁栄はさらに幅広く共有される必要があるとした。
 リセッション(景気後退)の煽りで財政赤字は1兆ドルに膨らみ、1100万人が失業する状況のなか、景気対策は必須の課題となっている。


元弁護士のミシェル夫人の黄色にキラキラと輝く金色混じりのタイトなワンピースは賞賛のまと。


サウスポーのオバマ氏。左から右への英語を書くのはかなり難しいのでは?


このサインひとつで世界戦争も?



 ところで、この、オバマ新大統領の就任演説を書いたスピーチライターのジョン・ファヴロー氏は現在27歳という。マサチューセッツ州の大学卒業後にスピーチライターとしてデビューし、23歳でオバマ氏のライターに抜擢される。その出会いは、4年前の民主党大会の舞台裏で、ファヴロー氏がオバマ氏の演説原稿の誤りを指摘したことからだという。
 演説の名手として知られるオバマ氏だが、これは平易な語彙を用い、一文を短く区切ることで、誰にでもわかりやすい内容に仕立てたファヴロー氏の筆に拠るところも大きいと言えよう。感動を与えるスピーチを書くコツについて、同氏は「オバマ氏になりきって書くことです。彼の身振り、発声、抑揚なども考慮しながら」と語り、オバマ氏の著書「マイ・ドリーム―バラク・オバマ自伝」を肌身離さず持ち歩いていたことも明かした。
 大統領選が開始してからの18か月間、彼はしばしば徹夜で原稿に対峙することとなった。エスプレッソを片手に、時にはコンピューターゲームで気晴らしをしながら、平均すると毎日午前3時まで責務に取り組んだという。今回の就任演説に際しては、オバマ氏と数時間のミーティングを経た後、数週間をかけて歴代大統領の就任演説やその批評をたぐり、最終的にはコーヒーチェーン店・スターバックスの店内で初稿を仕上げたという。

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