清々しい小林古径(1883−1957)の日本画は、最小限の線で作品を仕上げるという手法。 上村松園などの日本画の世界共通ではあるが、古径の描き方はこの線をギリギリで描く。 筆で、スーッと輪郭を描き、彩色する。 ヨーロッパやエジプト旅行において、多くのスケッチ、模写もやっている。 古径の絵にも大きな影響があっただろう。 ギリギリの線で、巨大な作品を仕上げているが、トンボ、セミなどの写生も、非常に緻密で、基礎はしっかりとしている。写生においては、現代の丸山応挙のような印象を受けた。 |
近代美術館のすぐそばになる。 |
フランス革命、ナポレオン帝政から二月革命にいたる激動の時代のフランス絵画を、ダヴィッド、アングル、ドラクロワ、コローらの作品でたどる。初めてフランス国外で展示されるアングルの《トルコ風呂》など、膨大なルーヴルの所蔵品の中から傑出した73点を展示。 |
小林古径を見た後、こちらは世界の至宝となる展覧会。 入った途端、大きな作品がぐんとせまってくる。 あまりにも日本画(特に古径)との違いに、めまいがするが、ルネッサンスのすばらしい絵に感服する。 当時、写真技術があれば、ここまで、写実的な絵画というのは描かれなかったのではないか。 大きな鹿狩りの図など、細かい人の表情まで描かれていて、感動する。 |
ほぼ、等身大で描かれた絵。ダビンチやミケランジェロなどの作品のように、無数のひび割れを発見したり、仕上がったばかりのような、絵の具のつやなど、「全て、本物」ということに感激である。文献の写真で見るおなじみの作品などの本物が今、目の前にある。 ルーブルのものすごい収蔵物の数を考えたら、何百点が国外に一時的に持ち出されようと、どうってことないわけだが、確かに、今、この作品は、ルーブル美術館には無いのだと変な感慨を。 |