TBSテレビでドラマ「赤い疑惑」が放送された。本日から、3回/3週にわたって放映される。 日頃、多くのテレビドラマ好きで、特に書き立てるものでも無いが、ちょっと、コメントしておきたい。 この「赤い」シリーズは、30年も昔の古き良き時代の日本のお家芸テレビドラマである。 |
以下、サイトから 「赤い疑惑」は当時、世に"白血病"を知らしめ、異母兄妹と知らずに愛し合う2人に日本中が泣いた"赤いシリーズ"最高傑作と言われる作品。山口百恵・三浦友和の共演。偶然の事故で放射能を浴び、白血病という不治の病に冒されてしまう幸子。父と共に病魔と闘う幸子が恋した青年・光夫は、異母兄であった。やがて衝撃的な出生の秘密が…。 |
今回のリメイクは、石原さとみ、藤原竜也の他、名脇役が支えており、なかなかのものである。 オープニングクレジットが当初と殆ど同じ、大きな文字で縦に名前を映し出すなど、映画のような作り方で、非常に懐かしい。 (白血病という病気が現在では不治の病では無いため、あえて現代版にリメイクせず、30年前をそのまま舞台にして作ったという。) そして、この「赤い」シリーズが、現在の韓国製ドラマが純愛ブーム・韓流ブームとして迎えられている原点になったとも言えるのである。ヒロインの父の上司が実の父で、その息子と恋に落ちてしまうという、まあ、あり得ない?話をさも、あるように思わせる設定、父、母・・・など、今の韓国ドラマの「泣ける」要素たっぷりなんである。 |
また、ヒロインが"白血病"になる原因である「放射能被曝事故」が自分の以前の仕事の体験に大きく関係するため、特別の感慨がある。 1995年から2002年までの7年間、関東を拠点に日本中を飛び回り、国立大学や製薬会社の放射線研究所、国の原子力研究所・核融合実験、原子力発電所などを対象とした放射線管理区域が営業ターゲットであった。放射性同位元素(ラジオアイソトープ:RI)の管理システム、放射線管理区域への入退管理システムなどのパッケージ開発・導入を通じて、いかに放射能が恐ろしいかを体得させられることが多かった。 1999年9月30日の東海村のJCO臨界事故は放射能被曝をはっきりと実感させる大事故であり、当時、現場に数日前に訪れていただけに、特別の思いがある。 「放射能を曝びるぐらいなら、足の1本や2本切断された方がマシ」と担当者が言っていたことを思い出す。 色もにおいも無いこの恐ろしい放射能をいかに封じ込めて保管するか、漏洩をどう検知するか非常に重要な技術である。厚い鉛の壁に囲われた貯蔵庫の出入り、担当者の室内滞在時間の制限、停電時閉じこめられないよう、錠は「停電時開放型」を選定するなど、多くの業務知識を得たものだ。 スーパーマンでも勝てないという「クリプトン」の搬入立ち会い、臨界実験の秒読みなどSF映画まがいの経験もした。 このドラマでヒロインは偶然、アイソトープの搬入時に放射線管理区域に訪れ、事故により区域内に閉じこめられ、運搬容器からこぼれ落ちたアイソトープ:コバルト60に触れてしまう場面は、実際の大学のRI管理室と非常に酷似しており、普段現場で従事している担当者には警鐘として大いに参考になるだろう。 |