京都駅ビルの美術館「えき」にて。 上村松篁の花鳥画は、ため息がでるほどの美しさ。静かだけれど、艶やか。奈良市にある松柏美術館から40点が展示されている。
松篁の母親は美人画の日本画家「上村松園」。そして、息子は上村淳史と3代にわたる画伯一家である。 上村松園は、宮尾 登美子の「序の舞」で自分には非常に思い入れの深い画家であり、昨年も数回、美術館に通っている。 その息子の上村松篁は、母松園の深い理解によって京都市立絵画専門学校に進むと同時に西山翠嶂に師事。 以来、帝展、新文展を舞台に、伝統的な写生に根ざしながら近代感覚あふれる花鳥画の世界を展開した。 昭和59年(1984)、75歳で松園につづき親子二代の文化勲章を受章、また京都市名誉市民となっている。 松篁の家には、池があり、たくさんの鳥が来た。鴛鴦、鴨、鳩、鶏、そして木々には、野鳥が来て。全てが松篁氏のモチーフだった。 |
花鳥画の多い中、あえて松篁らしくない作品。まだ若いうちと思われるので、母松園の影響か。 松篁は、母が画家、そして、学校にて正式な教育を受け、才能を開花させるのである 自分には絶対にこんなすばらしい物を創作できない。自分も、それなりの教育を受ければ、少しは歴史に残せる物ができたのだろうか。自分には何の才能も無かったか。ひょっとしたら、何かできたのではないか。いや、絵の世界だけでなく・・・。遅すぎる。こんなことを考えると、自分が惨めになるが・・・・。 |
ポスターの丹頂など、高さ2mもある大作をじかに見ることができた。 美術館「えき」では、ガラス越しに展示する施設では無いため、壁にかけるだけとなる。 巨大な作品はガラス入りの額が無いので、直に展示。このため、数cmに近づいて岩絵の具の状態、塗り方まで直接観察できた。 |