中国の正倉院 法門寺地下宮殿の秘宝 2000/02/20



サントリー美術館にて

1981年、中国陜西省西安市の西方120kmに位置する、法門寺の塔が大雨で崩壊しました。
1987年、塔の再建に伴う基部の発掘調査で、唐時代の地下宮殿(地宮)が現れ、金銀・宝石等で飾られた八重の箱に納められた仏舎利、金銀器、ガラス器、青磁器、宮廷茶器、絹織物などの文物が大量に発見されました。
法門寺は、インドのアショーカ王が分骨したと伝える真身舎利(しんしんしゃり)(釈迦の遺骨)を納める寺として、唐以前から盛名を馳せており、唐時代には歴代皇帝による舎利供養が数度にわたり行われました。
地宮での発見品は、唐末873〜4年の仏舎利供養のおり、懿宗(いそう)・僖宗(きそう)両皇帝等により仏舎利に贈られた奉納品です。これらの宝物は、法門寺への埋葬後、続く動乱と唐の滅亡という激動の中で人々の関心から消え去り、今日まで長い眠りに就いていたのでした。
本展覧会は、仏舎利を納めた金銀等の舎利容器、遣唐使も請来したと思われる喫茶法を伝える唐代の茶道具、この発掘で初めて実物が確認された幻の磁器・秘色(ひそく)青磁、唐皇室の様子を偲ばせる華やかな金銀器など、法門寺出土文物70件を中心に、周辺の華麗な唐代文物を加えた120件によって、法門寺地下宮殿の秘宝の全貌を世界に先駆け日本で紹介するものです。

兵馬俑、三星堆とともに、中国3大発見と言われ、まさに、3つとも見られたことになる。

金 仏菩薩像函
(八重宝函の内 第四重)
唐時代・9C.
法門寺博物館蔵



仏舎利容器(8重になっていた)

●主な出品作品

八重宝函(舎利容器)の内 第1〜6重 唐時代・9C. 1987年 法門寺塔基地宮出土 法門寺博物館蔵
銀鍍金 二菩薩二天王双鳳文棺 1基 唐時代・9C. 1987年 法門寺塔基地宮出土 法門寺博物館蔵
銀鍍金 菩薩坐像 1躯 唐時代・9C. 1987年 法門寺塔基地宮出土 法門寺博物館蔵
石造彩色 天王坐像 1躯 唐時代・9C. 1987年 法門寺塔基地宮出土 法門寺博物館蔵
ガラス 茶碗・茶托 1組 唐時代(中央アジア)・9C. 1987年 法門寺塔基地宮出土 法門寺博物館蔵
白磁 稜花盤「官」字銘 1枚 唐〜五代時代・9〜10C. 西安市北郊火焼壁村出土 西安市文物保護考古所蔵
銀鍍金 翼鹿鳳凰唐草文盒 1合 唐時代・8C. 西安市南郊何家村窖蔵出土 陜西歴史博物館蔵


<作品の紹介>


銀鍍金 茶碾・茶碾軸
唐時代・9C.

石造彩色 獅子
唐時代・9C.

藍ガラス 劃花植物文盤
唐時代(西アジア)・9C.頃

青磁 五花形碗(瓷秘色椀)
唐時代・9C.

銀鍍金 双蜂団華文薫球
唐時代・9C.

銀鍍金 鴛鴦団華文四花形双耳盆
唐時代・9C.
※写真の作品は全て1987年 法門寺塔基地宮出土 法門寺博物館蔵

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